相続による外国人の土地取得
外国人の土地取得禁止
外国人の土地取得は原則、一部の例外を除いて土地法で禁止されています。
第96条
土地法
外国人または第97条(土地法上、外国人とみなす法人)もしくは第98条(97条の法人の出資先の法人が98条にが該当する場合)に定める法人に代わる所有者として土地を取得したことが判明した場合、土地局長は当該土地を売却する権限を有し、第94条の定めを準用する。
例外規定
例外は以下の3種類です。
- 4,000万バーツ以上を投資する外国人=1ライ以下の居住用地を取得可能(第96条の2)。
- 投資奨励法またはタイ国工業団地法により許可を得た外国人
- 法定相続人として相続により取得する外国人(第93条)
第93条
外国人は法定相続人の立場において相続財産として土地を取得する。ただし、既所有分を合わせて第87条により所有が可能な範囲内とする。
取得可能面積
第87条
土地法
前条に基づいて許可する土地は以下の通りとする。
(1)居住 1家族につき 1ライ以下
(2)商業 1ライ以下
(3)工業 10ライ以下
(4)農業 1家族につき 10ライ以下
(5)宗教 1ライ以下
(6)公益 5ライ以下
(7)墓地 1家系につき 1/2ライ以下
従って、法定相続人である外国人は、取得可能面積の範囲内において、相続により土地を取得することが可能です。
相続による土地取得要件
- 民商法第1629条に基づく法定相続人であること
- 内務大臣(バンコク都の場合は土地局長、バンコク都以外は県知事に委任)の許可を得ること
- すでに所有する土地がある場合も第87条に定める面積を超えて所有することはできない
- 制限を超えた部分は売却すること
- 相続で取得した土地を売却する場合は内務大臣の許可を得ること
遺言による相続
外国人が遺言により土地を相続することはできません。相続による土地取得はあくまで法定相続人のみとなります。仮に遺言書に外国人に土地を相続させることが明記されている場合において、その外国人が遺言者の法定相続人である場合は法定相続人の立場で相続することは可能です。
遺言による相続の場合、遺言自体が無効となるわけではありませんので、実務上は相続執行者が当該土地を第三者に売却し、売却代金を外国人に引き渡すことになります。
審査日数
土地局の規定上、60日となっています(支所等の場合は65日)。
ただし、審査の結果、不許可となった場合は内務大臣に送付されますので、さらに時間を要します。
費用
申請手数料 1件につき500バーツ
許可料 1ライ(余りがある場合は1ライとして計算)につき100バーツ