相続欠格

相続欠格とは

 相続欠格とは、いずれかの相続人の相続権を剥奪する制度です。

相続欠格の要件

 他の相続人が不利益を受けることを知りながら、自己の受け取り分と同等またはそれ以上を移転または秘匿した場合、相続欠格となります。ただし、自己の受け取り分未満を移転または秘匿した場合はその部分についてのみ相続欠格となります(民商法第1605条)。

 また、次に該当する者は相続欠格者となります(同第1606条)。

  • 被相続人または相続の権利を有する者を違法な方法により死に至らしめた、または死に至らしめようとしたと最終判決を受けた者
  • 死刑となる犯罪を犯したと被相続人を告訴したが、偽証罪の最終判決を受けた者
  • 被相続人が殺害されたことを知りながら、犯人を隠匿する目的で証言しなかった者(当該人物が16歳未満の者、精神障害者、犯人が自己の両親、直系尊属、直系卑属であった場合を除く)
  • 被相続人を欺罔、脅迫等により遺言書を作成、取り消し、改変させた者
  • 遺言書を偽造、廃棄、秘匿した者

相続欠格者の直系卑属

 相続欠格は相続欠格者のみに適用され、その直系卑属はその相続権を承継します(同第1607条)。